2023年をやったことで振り返る

まとめると

  • 紆余曲折ある年だったが、前進はできた。
  • 自分のスタイルを確立し、進む方向が見えてきた。
  • 新しい変化を加えながら、積み上げ式で大きな成果を作っていきたい。

開発環境を底上げした

2023年の前半は開発環境の底上げに没頭していた。

具体的にはアーキテクチャ研究やLint Ruleの整備、開発言語のメジャーバージョンのアップデートといった取り組みで成果を残した。

当時は開発環境の整備が後手に回っていたことで、生産性を著しく毀損していることに内心強い怒りを持っており「なんとかしてやる!!」と必死に手を動かして状況を打開することに取り組んでいた。また、自分は没頭度合いと幸福度合いが比例する傾向にあり、没頭するネタとしてはこの上なく良いテーマでもあったので、没頭して改善に取り組んでいた。

ありがたいことに当時のチームには最低限のノルマラインをこなしていれば、あとは好き勝手やって良いという文化があり、自分は最低限をこなしつつ、好き勝手開発環境の整備をしていた。

一部で衝突などもあったので、そこは侘びたいが、今では1年前と比べると3倍くらいスループットが回復する状況にまできており、取り組んでよかったなと思っている。

粘り強く成果に向きあった

今年の成果を振り返ると、総じて粘り強さがあったように思う。

短期でガッと成果を作ることもできるが、2~3ヶ月から1年ほどの時間をかけながら、最終的に大きな成果を作りにいくスタイルも意識的に選択できるようになった。この一年で証明できた。

正確には、そうせざるを得ない状況があり、(最初は渋々付き合っていたが) 結果的に自分の選択肢が増えることに繋がった。

  • 決済基盤のリプレイス (10ヶ月)
  • Lint Ruleの整備 (4ヶ月)
  • DartのNull Safty対応およびバージョンアップ (4ヶ月)
  • バッチ処理の改善 (3ヶ月)
  • チームビルド (4ヶ月)
  • etc…

1ヶ月から2ヶ月程度のスコープで馬力を一時的に上げて成果を作るオプションを持ちながら、前提条件や状況を尊重することで時間はかかってしまうが、最終的に大きな成果を残すオプションも取れる。という、仕事のスタイル。

どちらも建設的に選択できるようになったのが、今年一番の変化かもしれない。

もちろんなるべく短期で済ませられた方が良いし、可能な限り短期で完結できるように努めるが、現実は色々な事情で厳しかったりもする。そうなった時に登り方を工夫して、負荷を最小限に留めながらも積み上げ式で成果を作り、最終的には大きな山を登り切れている状態に至れるような進め方を能動的にデザインする。

その昔、「AとBで2つオプションがある場合に、一番良いリスクの取り方はAとBを状況に応じて取れる位置にポジションを取ることだ」という考えを師に教わった。

まさにこれで、仕事のスタイルに複数オプションを持ち、意図して使い分けができるようになったのは、成果の出し方に対する幅が広がった感じがした。以前は時間が必要なイシューに向き合うのが苦手 (せっかちな性格) であったが、今では ”そういうものだ” と割り切って向き合える。

オプションをうまく使い分けて、来年も良い成果を作っていきたい。

燃え尽きた

今年は燃え尽きてしまった。「燃え尽き症候群」(バーンアウト) になった。

期が変わった4月の中旬ごろから異変を感じでおり、7月ごろまで全く仕事が楽しくなく、ただ作業の様にこなす日々が続いた。

以前は毎日読んでいた本も全く読むことがなくなっていた。(最近は回復して読んでいる)

3年近く没頭して仕事をしてきた反動がきた感じで、全くやる気が出ず、むしろ仕事に嫌悪を感じることもあった。一時期はデスクに向かうことも嫌だった。

5月中旬ぐらいに異変を認識してからはなるべく仕事と私生活をキッパリ分け切ることを意識して、それぞれの時間を干渉させないようにした。

これまで生きてきた中で、旅行などには積極的な方ではなかったが、この頃は状況や感覚が好転するきっかけになれば良いなと思い、一人で出かける機会を意図的に作っていた。休日も家に居続けるのは精神衛生上まずいと思い、出かける時間を増やした。

幸い7月の中旬ごろには回復してきたが、5月下旬ごろは特に落ち込んでいた。

目標を持つこと、没頭することは幸福度に比例はするが、適度なバランスが必要で。それを意識的にでも取りに行かないと、今後もまた同じ感じでバーンアウトしてしまうだろうなと思っており、緊張と緩和をうまく使っていきたいなと強く思った。もう同じ状況には遭遇したくない。

3年経った

今の職場で仕事を始めて3年が経った。

年数に対する考えは人それぞれあると思うが、自分は20代で3回転職(転社含む)をしてきた経歴があり、ある意味ジョブホッパーと呼べる分類には入る。

社会や組織に上手く適応できない分類だな…と自分自身を悲観的に捉えていた時代もあり(20代中盤)、紆余曲折あるなかでも、結果的に3年間継続して1つの場所で仕事し続けられたことは純粋に嬉しかった。

ジョブホップしたことで得られた考えや知識はあったが、一方で続けなければわからないことがあると思っていたので、現職に選んだ時は可能な限り長く在籍して大きな成果を残せるように努めたいという心意気があった。結果的に1つの基準と考えていた3年のコミットは達成できた。

当たり前だが、3年経つと別の組織になる。

特にスタートアップは人が増えて、事業規模が変わり、仕組みや役職も半年ごとに大幅にアップデートされるので、3年前の感覚はほぼない状態になる。

そういった変化を事前に理解した上で続けていたので特段驚きはないのだが、それを通じて理解したことはいくつかあった。

1つ挙げると、自分は過剰な人の増加を必要とするビジネスは好きではないということ。スタートアップよりもスモールビジネス。小さな組織規模でも大きな成果を継続的に生むような方向に向き合っていきたいというのが明確になった。

スタートアップの村に入ってからまもなく10年になり、文化やそこにいる人たちのことは好きだし、スタートアップとしての変化をいくつか経験した中で今でも面白いと思っている。

そんな中でも、自分が今後突き詰めて考えていきたいテーマは、「大規模スケールを目指した事業と組織の運営」ではなく「小規模でありながらも積み上げ式でインパクトを最大化していく事業と組織」、という方向であることをコミットしてきた中で気づき、方向を明確にできた。

どちらもインパクトを残す点では同じだが、そこへの登り方は全く違う。それぞれに難しさがあるとは思うが、今後は4~5年くらいかけて形になる成果を残せたら良いなと思っている。

もしかしたら、やっぱりスケールしたい!!!と思い直すかもしれないが、少なくとも今は組織のスケールに頼って事業を大きくするのではなく、組織を最小に留めながら、創意工夫で事業を最大化させることに向き合っていこうと思っている。

性質を使えるようになった

性質を考慮する重要性は去年気づいたが、今年はさらに無意識レベルで自然と考えられるようにまでなった。年の後半からは所属する組織の方針でも活用されるまでになっている。

性質に理解があり、合理的に扱えるかを客観的に示すことは難しい。けれど、日常で当たり前に考えられるかどうかでは成果の質に大きな差が生まれてくる。

これまで一緒に働いてきた同僚の中でも、この人はデキるなと思う人は総じて問題対象の性質を見極めて正しく扱える人が多かったなと、今になって気づいた。

来年は性質の扱い方に幅と深みを持ちたい。

具体のテクニックを高い精度で素早く反映できるようにすること、個だけではなく組織単位で備わるように働きかけること、2つを意識してやっていこうと思う。

ライブに行った

学生の頃に好きだったバンドが去年から活動を再開して、今年は数回ライブに行くことができた。

10代の頃に聴いていた曲を30目前になっても変わらず新鮮さを保って聴けることに感動した。

曲調やライブの雰囲気には当時の青々しさはもうないのだけど、それでも当時のひたむきな感じや瞬間的な時間を大切に生きることを演奏を通じて思い出させてもらえて、ライブ帰りの高揚感は何にも変え難いものだと、改めて思い出すことができた。

来年も行き続けたいし、違うアーティストのライブにも足を運んでみようと思う。

ISUCONに出た

初めてISUCONに出た。詳細は別の記事に。

https://www.yamarkz.com/blog/isucon-13

ビールを飲んだ

今年もたくさんビールを飲んだ。来年も飲んでいく。

https://www.yamarkz.com/blog/beer-memory-2023

ブログを書いた

今年も書いた。来年も気の向くままに書いていく。

2024年にやっていきたいこと

遠い場所を目指す

ここ数年は目の前の課題に没頭している時間が長く、それを続けることこそが結果的に遠い場所にまで続いていくだろうと盲信して進んできた。2023年の後半からそのスタイルでは限界が見え始めてきて、意識的に遠くを見て進む方向を調整していかなければ遠くへはいけないように思うようになった。

なので少し遠くを見ることを意識しながら、没頭を重ねて進んでいくことを意識してやっていきたい。

新しい変化を加える

今でも新しい変化はあるのだけど、昔ほどの変化幅はなくなりつつある。

20代の変化幅が異常なだけなのは理解しており、今後も再現できるものだとは思っていない。意識的に新しい変化を加えていく習慣を作っていかないと年を重ねるごとに丸く収まってしまいそうな恐怖を感じる。

仕事でもプライベートでも意識的に新しいことに向き合い続けて、変化幅を保ち続けられるようにしていこうと思う。

成果を積み上げる

一度にバーンと成果を出せるのが理想だが、自分は着実に小さな成果を積み上げて、時間をかけて大きな成果に変えるスタイルが合っていると気づけた。

遠い場所を目指しながら小さくとも成果を積み上げて形にし、結果的に大きなインパクトを作って変化を起こしていく一年にしたい。

目的達成に合理的になる

2023年も同僚をはじめとして、いろいろな角度からフィードバックをもらってきた。

中でも「目的を達成するための合理性が足りてないね」というコメントを信頼する同僚にもらったことがあり、Best feedback of the yearと呼べるほど良い内容だった。

合理的に考えて行動する比率が高いと自負していたが、「まだまだ目的達成では合理的になりきれてないと思うぜ」と言われたのは受け取った瞬間は驚いたが、そのフィードバックを踏まえて冷静に考え直すと非合理に行動するシーンが多くあることに気づいた。

フィードバックをもらって以降、意識的に取り組んではいるものの、まだまだモノにできている感覚はない。瞬間的な感情だけで動かずに、目的達成から逆算して合理的に振る舞えるシーンをもっと増やしていこうと思う。

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